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照隠 [届想 ~とどきそう~]

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「私のこと、好き?」


楽しいことには
おしゃべりな貴方なのに

肝心なことは
答えてくれないのね


「大切なことだからこそ、簡単には口にできない」


天鵞絨(ビロード)のように柔らかく
温かな微笑みを見せながら
はにかんだ貴方が可愛くて

陶器のように
白く冷たい足を
私はそっと絡めた


照れ屋で
ぶっきらぼうな貴方

わかってあげられるのは
私だけ

だからそんな貴方が
私は好き


ほら
冷え切った体も心も
芯から温まってきたよ


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Sweet Flower ~甘い花~ [Innocent]

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求めることが許されぬ
ボクたち

だけど
瑞々しい
果実のような
その唇

食べてしまいたくなる時が
あるんだ


甘い蜜

その先にあるのは
朽ち落ちた
花弁の欠片だけど


想い合いを秘めねばならぬ
ボクたち

だけど
雫で潤い
ぽってりとした
その花びら

抱きしめてしまいたくなる時が
あるんだ


キミの温もり

その先にあるのは
踏み越えてはならぬ
タブー


平然を装い
曖昧な境界線

キミの中の熱
絡め取りたい欲望

なのに
爪先立ちで
躊躇う一歩


甘露な花
壊さぬよう

キミの笑顔
曇らせぬよう

ボクの吐息
ため息に変えて


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 [届想 ~とどきそう~]

蕊

貴方の傍にゆけば
貴方の芯を掴めると思っていた


貴方を大切にしたいのに
貴方を知り尽くしたいのに

近づけば近づくほど
貴方を見失う


手を伸ばせば
届くところに在る被写体

それなのに
寄りすぎて

焦点が霞む
視界のよう


貴方の中に咲く蕊は
触れられそうで
触れられぬ

密なるもの

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柔棘 [届想 ~とどきそう~]

柔棘


いつもは優しい貴方が
時々発する棘は

消えることなく
積み重なって

私の中は
ささくれたチクチクが
充満してしまう


いつも疵ばかりを
負っていると

疵口が凝り固まって
無感覚になってゆく


なにも感じなくなったなら
いつか貴方を許せるのかな

貴方を憎む前に
いつか柔らかな棘だと
思えるようになるのかな


貴方はまだ気付かない

棘の先に滲む
今にも零れ落ちそうな雫を


本当は
手遅れになる前に

私の心に
花を咲かせてほしいのに
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Tears drop ~涙粒~ [Innocent]

Tears drop ~涙粒~

 

本当は
手を伸ばして
キミに触れてしまいたい

偽りの笑顔を作る日々
もぅ疲れたから


弱いところも
醜いところも
汚いところも

悲しみも
苦しみも
憎しみも
涙も

ボクの何もかも
すべてを曝け出せるのは
キミだけだったと

失ってから気付くなんて
愚かだけど


キミへと伸ばした
ボクの指先

躊躇って
泡粒となり
消える


人魚が
最後に零した
涙の雫のように


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 [届想 ~とどきそう~]

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貴方に愛された記憶
貴方に裏切られた記憶


私は器用な人間じゃないから

どちらか良い方を残して
どちらかだけ消すなんて
できない

疵を残すくらいなら
愛までも手離す

それこそが
対等なのかもしれない


全消去

そして貴方への愛さえも
無になる


空っぽになった
私の心

ひび割れて荒れ果てた
荒野のよう

ガサガサとした乾きと
触れる
バラバラに崩れ落ちる脆さ


貴方と刻む時の針

過去がリセットできたなら
零からのスタート


そして始まる

愛の泉の沸き立ち
愛の芽の息吹き


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裏切 [届想 ~とどきそう~]

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「裏切り」

という刃で
心を刺されたら

「信頼」

という血が
バラバラに飛び散った


言葉少なな貴方

だからこそ
限られた情報を拾い集め

それらを
反芻すればするほど
同じ場所をぐるぐる廻るばかり

貴方がますます
信じられなくなる


「不信」

という感情が
膿のようにどくどくと
音を立てて溢れ出る


いっそのことなら
この身ごと切り裂かれ
朽ちてしまえばいい

華の美しさも
愛でられる幸せも

貴方自ら手折って
私を葬って


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Sometime ~いつかの時~ [Innocent]

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マッチ箱の狭間から

空を見上げる

 

キミと見た空は

遮るものなど何ひとつない

グラウンドみたいだったのに

 

キミと離れて

どれくらいの数だけ

陽は昇り

暮れていったのだろう

 

変わらないと

信じてた

キミもボクも

 

だけど

最初に破ったのは

ボクの罪

 

唇を噛みしめ

こぶしを握った

キミの姿

 

たった一言

サヨナラ」と

電波にのせた響きだけ

 

ただそれだけで

見ていなくても

浮かんでくるよ

 

キミはいま

ボクのいない毎日を

どうやって過ごしているのだろう

 

「一度想いが通じ合った間なら

 離れていても

 まだ自分を想ってくれているという錯覚」

 

とやらを

オトコというイキモノは

持つらしく

 

でもそれは

キミとしては

「メイワクなカンチガイ」

なのだろう

 

でもボクは

勝手に描く

 

小さな規模になってしまった

空に

 

いま

キミの隣に

誰が寄り添うとも

いなくとも

 

燃ゆる空を見上げた

あの瞳の潤みを

頬の熱さを

 

キミそのままの煌めきが

大きな空の下

きっと輝いているはずと


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紅漆 [届想 ~とどきそう~]

紅漆 

ぶつかり合うのが

嫌だから

 

言葉を

飲み込むたび

 

ひとつずつ

私の中で

 

何かが死んでゆく

気がする

 

でも

いいの

 

貴方を愛するが故の

疵ならば

 

私の中で

熱帯びた

 

血の涙を

流そうとも

 

私は

またひとつ

 

強くなる


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Just  ~いまこの時を~ [Innocent]

Just


「昔はこうだった」

そう
過去を懐かしむ日もあるだろう


だけどボクらは

いま
此処にいて

いま
生きている


過去を
糧にしているかもしれない

未来へ
繋がるかもしれない


だけど
いま
この瞬間は
二度とは訪れない

いま
感じてる
この想いがすべて


だから
いま
この時を大切にしよう


でなければ

ゆき過ぎた過去も
望む未来も

輝きを放てないから


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